最近のWWW ( World Wide Web ) の急速な発達により、インターネット上に提供 される情報量は膨大になっている。 この様な状況下では、ユーザがインターネット上で必要なリソースを見つけ出す ことは、非常に困難である。これらの問題に対処するために、情報検索の分野で 様々な研究が行われ、情報検索システムが実装、公開および利用されている。
情報検索システムは、ディレクトリ型とロボット型に大きく分類される。 ディレクトリ型検索システムでは、通常WWWページの収集および分類は人手で行 うため、正確できめ細かな分類が出来るが、提示できるリソース数が少ない。 一方、ロボット型検索システムではリソースの収集及び特徴抽出を自動的に行う ので、広範囲の情報を提示できるが、リソースの内容に関係なく収集を行うので、 情報検索システムの性質によっては、そのサービスにとって、不要な情報も多量 に収集してしまう可能性がある。
現在我々は、携帯端末からの有用性が高い位置に関連した情報の検索に分野 を限定した、位置情報指向の検索システム[1]を構築中である。 位置に関連した情報とは、住所、ランドマーク( 駅名や目印となる建造物名 ) 、店舗名、電話番号、郵便番号、緯度経度等の「位置情報」を使用して、位置の 特定が可能な情報である。 リソースの収集には収集したリソース中の位置情報を使用した選択的な収集方法 を検討中である。
以下では、位置情報検索システムで用いられているロボットの情報収集方法につ
いて述べる。