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はじめに

  昨今,電話帳,地図,店舗情報といったデータベースがWWW等のオープンな環境で 利用可能になり,これらの検索インタフェースの異種性を解消する方法として, メタサーチやデータベース wrapper[1]などがある. 我々も,ある特定の場所に関する情報を検索する場面, すなわち,位置指向の情報検索の場面を想定した, モーバイルインフォサーチ(MIS)[2]という 実験システムgif を構築している. このシステムでは,場所を表現する情報(位置情報)の様々な表現形態 (緯度経度・住所・最寄駅名等)を相互に変換し, 複数の外部リソースへの検索インタフェースの統一化をはかっている (図1). ユーザが緯度経度・住所・最寄駅名・郵便番号・最寄ランドマーク名など の中から任意の種類のもので場所を特定し,どのWWWサイトで検索を 行いたいかの要求と組み合わせて検索要求を出すと, MISサーバは検索先サイトに合わせて位置情報を変換し, 検索式を生成してユーザの検索要求の中継を行う.

  
図 1: MISでのデータベースwrapper

このような 外部リソースの位置指向情報検索においては, 適度な量の解が得られるよう,検索範囲を適切に与えることが必要である. 本稿ではそのために複数の外部リソースに対して使用可能な一般的な 位置指向の情報分布というものを算出し, それを考慮して検索範囲を決定する方法を検討する.


Nobuyuki Miura
Wed Oct 14 18:42:21 JST 1998