本章では,3章の冒頭で あげた二つのパラメタのうちの後者,すなわち, 検索対象外部リソース依存のパラメタについて検討する.
外部リソースが職業別電話帳のように様々なジャンルについて 平均的にデータが整備されている場合には 3章のような方法で 予測できるが,保持しているデータのジャンルについて 何らかの特色を持っているような場合には, 3章の方法では誤差が 大きい可能性があるかもしれない. 例えば,パソコンショップについての情報に強い外部リソースの場合には, 東京秋葉原,大阪日本橋,東京新宿での情報分布は他の 場所での一般的な情報分布と大きく異なることが予想される. このようなジャンルに応じた外部リソース依存性については, 3章で 構築した情報分布データの場合,業種毎といった情報の種類毎の 情報分布を考慮することである程度解消できると考える.
3章で 構築した情報分布データは全業種合計の分布であるので, まず,業種毎の情報分布データベースを作成する. 個々の業種毎の分布データベースについて, 3章同様, サンプリングした,いくつかの箇所について対象外部リソースに対して 検索を実行し,リソース係数を求める. この係数が3章で求めた 全業種平均と大きく離れている場合に,対象外部リソースは この業種に関するリソースだと判断して,この外部リソースについては 全業種平均での分布データ・リソース係数を用いるのではなく, この業種の分布データ・リソース係数を用いることにする.