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試行実験

  3章で考えた検索範囲決定法に従って, 表3でとりあげた3つのサイトに対して 試行実験を行った.ここでは,次のような評価条件を採用した.

まず,住所を日本中からランダムに100箇所抽出し, 深さを変えながら,各サイトに対して検索を行い, 検索結果数を調べ,評価条件に合致する住所の深さを調べた.

一方,職業別電話帳のデータを用いて情報分布データベースを作成し, 表2のサンプルを その情報分布と比較し,各サイト毎にリソース係数の平均を算出し, 3章で考えた検索範囲決定法に従い, 検索結果数の予測を行って,100箇所について検索範囲を決定した.

これらを基に, 従来法に相当する深さ固定の検索範囲決定法を用いた場合, 提案手法を用いた場合のそれぞれについて, 評価条件を満たす検索結果が得られた 割合を調べたのが表3である. 例えば,深さ1固定,つまり常に住所は都道府県名までのみの住所を 検索条件とした場合,サイトAでは 3%,サイトBでは57%,サイトCでは39%であった.

なお,サイトCはそもそも100件を越えると検索結果数過大で 検索実行を拒否するような挙動を示し,また,検索結果数も常にあまり 多くは得られないため,サイトCについてのみ評価条件中の 上限値を100件ではなく,20件に設定した.

3から, 提案手法を用いて情報分布を考慮して検索範囲を決定した方が 有効であると言える.

  

サイトA サイトB サイトC
深さ1固定 3 % 57 % 39 %
深さ1.5固定 4 % 55 % 2 %
深さ2固定 62 % 57 % 55 %
深さ3固定 29 % 7 % 7 %
深さ4固定 29 % 1 % 1 %
提案手法 64 % 63 % 76 %

表 3: 評価条件を満たした検索の割合



Nobuyuki Miura
Wed Oct 14 18:42:21 JST 1998