next up previous
Next: PHSを使った現在地情報の取得方法 Up: 位置情報による情報統合の技術 Previous: 位置情報による情報統合の技術

多様な静的情報に位置を付ける

現在のMISは緯度経度情報でアクセスできる地図サーバや,住所や駅名でアク セスできる情報サーバへなどデータベース的な相手へのリンクが中心である. しかしそれだけでなく一般の構造を持たないHTMLファイルなども位置情報で検 索を行いたい.図9のgooの検索は検索条件としてPHSから得られたユー ザの座標の住所や最寄り駅を指定することによってこのことを疑似的に実現し ている.しかしもっと精度良く,または住所が陽に記述されていない場合にお いても検索が行なわれることが望ましい.

雑多な情報に対して,位置情報を付与することが,筆者らの情報統合ディレク トリ(IID:Information Integrate Directory)[6]の考えを使って可能 である(図10). これは情報収集エージェントが集めた雑多な情報とBase Directoryと呼んでい る目録集をIntegrate Agentが照合し,その結果雑多な情報に構造を与え,欠 落した属性値を付与するアーキテクチャである. ここでBase Directoryに電話帳情報を用いると,仮に集めた情報が住所情報を 含んでいなくても,名前や電話番号などの,固有情報を特定することができる 属性を使って,その情報とどのBase Directoryのレコードが対応するかを調べ, その結果集めた情報に位置属性を付与することができる.

情報統合ディレクトリの実験結果によると,レストラン関連のHTMLファイルの 少なくとも23.3%,一般のHTMLファイル(新着情報)の同9.2%に位置情報を付与 することができる[6].

  
図 10: 情報統合ディレクトリ