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モーバイル環境での消費行動の直接的支援

  
図 1: 消費行動の過程

モーバイル環境での消費行動支援には,店を探したり,地図で道案内したりす る直接的なものと,意思決定を支援するために,判断材料となる情報を探した り,判断を代行するなどの間接的なものとがある.本章では,前者について述 べる.間接的なものは次章で意思決定の支援として述べる.

消費行動を文献[1][2]などを参考に図式化すると 図1のようになる.直接的支援は最初の収集過程と,最後の実 行の過程である.例えば店を探してくれる機能と,店に案内してくれる機能に 対応する.

  
図 2: 情報源に対する考え方

この目的に対して,我々はネットワークに存在している情報を内容や形式を問 わずに極力有効に活用するというアプローチを取る.市井の雑多な情報をすく いあげるために,例えば大澤の提案する街角エージェント[3]のよう な知的な存在から,ファイルやデータベースなどといった情報までを統一的に 扱いたいという要望が起こる.また情報の性質としては,客観的なものから, 主観的なものまでうまく組み合わせて使いたい(図2).以上から 直接的支援では様々な情報の異種性の解消が課題になる.そこにモーバイル環 境であることを考えると,移動するユーザに対して現在地付近の情報を使いや すく提供すること(位置指向の情報検索)が具体的な課題となる.5章 ではこれに対応した研究として「モーバイルインフォサーチ」を紹介する.位 置情報をフィルタリング条件とするアイデアは長尾のウォークナビ[4] などの研究と方向性を同じくするものである.